関西ブランディングデザイン協会
コラム
デザイナーは“ビジネス”もデザインする時代  -- (No.5)
こんにちは!
関西ブランディングデザイン協会の芦谷です。

今日は、すごいデザイナーのお話をさせていただきます。

それは手がける店舗は必ずと言っていいほどヒットする
天才インテリアデザイナー、森田恭通さんのお話です。
昨年、大地真央さんとの結婚でも話題をよびました。

森田さんの作り出すインテリアのセクシーさに
以前からとても興味を持っていましたが
幸運にも、一緒にお仕事をさせていただけるという
機会に恵まれました。
昨年、仲のいい僕のクライアントが表参道にお店を作る際、
森田さんにインテリアデザインを依頼したのです。

おかげでアーティストとしての才能だけでない
森田さんのもっと深い一面を垣間みることができたのでした。

その深い一面とは、
彼のアーティストらしい風貌から想像できないような
“ビジネスセンス”の高さです。

実際に森田さんとお仕事するまでは
個性的な風貌とシンボリックでエロティックなデザインが
人気の秘訣だと思っていました。

もちろん、それも重要な要素に違いありません。
ただ、クライアントにとって最も興味があることは
多額の費用をつぎ込んだビジネスが“成功すること”です。

森田さんのもう一つの人気の秘訣は、
質の高いビジネスアイデアによって、
そんなクライアント達を、
プロジェクト成功に導き続けたことだったのです。

大阪南にあるテナントビルの事例は、まさに森田さんの
ビジネスセンスの高さを証明する話です。

そのビルは森田さんが手がける前は
繁華街にどこにでもあるような雑居ビルでした。

一般的に雑居ビルは集客しやすい低層階のテナントに人気が集まり、
客足の伸びない上層階のテナントは人気がないので、
家賃を低く設定しないといけません。
その結果、上層階のテナントによって
ビル全体のブランド価値を下げてしまいます。

森田さんは、その問題を克服するプランを提案しました。

提案内容は、
2階部分にロビーをもうけてホテルのフロントのようにし、
上層階を“VIPルーム”扱いにすることです。

普通のテナントビルでは
上の階に行くために入り口付近にある
“しょぼいエレベーター”に乗ってあがるのですが
森田さんのアイデアは、1階からゴージャスな階段を2階につなげ、
階段を上がったところにロビーを設置するというものでした。

結果、上の階に集客がしやすくなり
格の高いテナントが入り
ビル全体のブランディングを高めることに成功したのです。

確かに普通のテナントビルに比べるとイニシャルコストが高くなります。
しかし長期的なビル全体の採算を考えればとても効果のある方法でしょう。


本当に優秀なクリエイターとは
ただ、きれいなデザインを考えるだけではなく
『商売のしくみ』までもデザインできる能力を持っているのです。

僕たちデザイナーは芸術家ではありません。
デザインによって企業や商品の問題を解決することが
僕たちデザイナーに求められているのです。

森田さんの仕事は
デザイナーの役割を象徴するお話です。

  2008.07.25  芦谷正人
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